研究分野
本講座の研究分野は大きく理論計算機科学と情報セキュリティの2つがある
理論計算機科学
理論計算機科学は計算量の理論、暗号理論、言語理論などを含む「計算」の基礎理論である。ここには、未解決問題が山積している。我々は、このなかから興味深い問題を発見し、それを解明することを日常的な研究活動としている。特に暗号理論には、数論や代数幾何に関連した計算量理論の問題が豊富に含まれている。例えば、暗号系を破る問題の難しさを特徴づける仕事を続けている。また、証明論における証明可能性と暗号理論における安全性の概念との関係、一部の関数型プログラミング言語の基礎となっている帰納的関数の理論と暗号化関数の関係などについて、これらが互いにどれほど強くリンクしているかにも興味をもっている。
情報セキュリティ
情報通信における基盤技術として重要となるのが情報セキュリティ技術である。情報セキュリティ技術には暗号技術やディジタル署名技術、さらにはユーザ認証技術などがあり、それぞれ、情報の秘匿、メッセージの作成者や正当性の確認、システムにアクセスする利用者の正当性確認に用いられる。これらの技術は電子マネーや電子選挙などに活用され、社会基盤技術としての役割も果たしている。ソフトウェア保護や電子透かしなども重要な研究課題であり、これらの技術により情報の健全な活用が行なわれるようになる。情報セキュリティの研究には、暗号理論、計算量理論、数論、情報理論、計算機ネットワークなどの知識や手法が使われる。
研究紹介
本講座で行っている研究について紹介する
マルチメディアセキュリティ
栗林 稔
AI技術を悪用してフェイクコンテンツを作成し,偽・誤情報の発信によるプロパガンダの問題が指摘されています.この問題に対応すべく,「加工・編集および生成されたコンテンツ」と「正常に撮影されたコンテンツ」を判定する技術を本研究では扱っています.また,AIシステムを誤動作させる意図で作成されたコンテンツも対象として,コンテンツの真偽判定技術の実現を目指しています.